ある日、僕は病院の世話になった。


この記事は、「いるかみゅーず」が有名になる原因をつくったと言っても過言ではない“とあるフレーズ”を生むこととなった出来事、2012年のいるかむの身に起こった出来事ですが、それについて、当時執筆した記事を、手直ししたものです。

病院の話が出てきますので、それに付随する様々な事柄が苦手な方は閲覧にご注意ください。



物語はいつだって唐突に始まる。

だが、残念なことに、僕の場合はそれは恋の始まりではなかった。



きゅんと胸を締め付けるような痛みが、という文章でこの記事を始めることが出来たなら、どれだけ良かっただろうか。僕の人生も大きな転機を迎えていたことだろう。しかし、現実というのは非情だ。痛みを感じて目覚めたことには変わりないのだが、よりにもよって刺激痛。



しかも場所はデリケート・ゾーン。



ズキンズキンと痛み、中々立ち上がれません。冷凍庫から保冷剤を取り出し、患部に当ててみました。「もうこれは冷凍庫へは仕舞え無いな」などと悠長な事を考えている余裕すらありません。

痛みの発信源は、どうやらデリケートゾーンにぶら下がっている2つの球状の物体のうち、右のようです。しばらく氷を当てていれば痛みも引くだろうと思い、保冷剤を股間に挟みながら横になります。傍から見ればシュールな光景ですが、本人は至って真剣です。

しかし、効果はいまひとつ。タマは冷やしても仕方ないということでしょうか。そうこうしているうちに、段々と立てなくなる(そっちの意味でなくて)レベルの激痛になってきました。我慢できなかったので、急いで調べて近くの泌尿器科へ飛び込みました。



泌尿器科のおじさん先生はヒトコト「ふむ」とつぶやくと、僕のアレをさわさわと触診しました。
僕だって男子大学生ですので、僕のアレを優しく触ってくるのは幼少時代に親にされる以外ならば、きっと可愛い彼女と致す時に違いない、と思っていたのにこんな有様です。






現実は非情どころか追い打ちをかましてきます。





そのおじさん先生は神妙な面持ちで「この痛みの原因は、3つの内のどれかだ」と言いました。

  1. 玉から棒へと繋がる管が捻転している。緊急手術レベル
  2. 玉の中にバイキンが入って炎症を起こしている。これは薬でなんとかなるレベル。
  3. 玉の周囲には進化の過程で淘汰された管があり、その捻転。放置で大丈夫なレベル。

ただ、クリニック的な所ではこのどれに該当するかが詳しく調べられない、とも言われました。表面上は「なるほど」と聞いていた僕ですが、内心は蒼白状態です。

おじさん先生は「紹介状を書いてあげるから、今すぐ赤十字病院へ行け」と言いました。
「分かりました。今すぐバスで行きます。」と僕が言うと、先生は言いました。






事は急を要する。タクシーで行きなさい。






いったいどうなるんだ、僕の玉は……と泣きそうになりましたが、先生曰く、もし①だった場合は痛みを感じ始めてから6時間以内に捻転を取り除く手術をしないと、玉が腐って使い物にならなくなってしまい、摘出の必要が出てくるそうです。そりゃ急がないと。

1つ言えることは、保冷剤を股間に挟んでいる時間は確実に無駄だったということです。



この日、お昼すぎから学生実験がありました。しかしながら、玉が使えなくなると目先の実験と単位どころか、将来経験するであろう実習に大きな影響を与えます。幸い、診断書を先生に出せば何とかなるらしいということを友達に教えてもらったので、多少は数少ない預金のことを気にしながらも、安心してタクシーに乗り込みました。

運転手さんは一応病人の僕にも親切でした。舌打ちしてくる王寺タクシーとは大きな違いです。


赤十字病院に着くと、すぐに診察が始まりました。おじさん先生があらかじめ電話をしておいてくれたみたいです。玉を触らせておいて正解でした。ご褒美でもなんでもないけど。


紹介状があれば初診料金2100円が安くなるらしく、少し得した気分です。病室に入ると、さっきよりは少し若めのオジサン先生がそこにはいました。先生は言いました。






「じゃあ、脱ごうか






触診だもの、そりゃ脱ぐわな。タマを触られる経験を中年のおじさんで済ませたばかりの僕はもう失うものなんてありませんでした。1つだけあるとすれば、触らせなければタマを失うくらいでした。ただ、これだけは避けなければならなかったのです。まさにタッチ・オア・ロストの状況。
だから僕の取れる選択肢はただ1つだけ。












人前で












躊躇いなく












下半身を露わにする。












ご存じの方も多いと思いますが、性器は放射線を当てるのはあまりよくありません。
ですが、僕の患部はタマです。レントゲンは使えません。
え?将来どうせ使わないしレントゲンくらい良いだろって?なんだとこのやろう。


この場合、エコー検査を使います。まさか自分がそれを使うハメになるとはなあ、とハメたこともハメられたこともないのに感じました。さて、エコー検査する時はヌルヌルしたやつを塗るのですが、僕の場合はタマに塗られます。このヌルヌルしたやつはエコーゼリーと言う代物らしいのですが、Amazonで売っててびっくりしました。本当になんでも売ってるんだなAmazonって……。


《参考までに》


機器をタマに当てながら、画面で確認します。気分はまるで妊婦さんですが、見ているのは赤ちゃんではなく赤ちゃんの素です。この頃になると、大分痛みは引いていていたので、そういったことを考える余裕が多少はありましたが、もしかしてもうタイムオーバーなのかもと不安にもなりました。


エコーの結果、結果的に捻転の心配は9割方無いと言われました。本当によかったです。
一応、他の可能性を消すために、先生が僕にいくつかの質問をしてきます。
















先生「最近、いつセックスした?















ぼく「そもそもしたことないです」















何だこの公開処刑。

「女性・男性ともに性交渉の経験はないですね?」と念押しで聞かれましたが否定するしかなかったのが悲しかったです。でもそのおかげで性病由来ではない事がわかりました。


そして、診察が終わったのですが、その際にぼくの棒について先生が言及してきました。
というのも、実は僕の棒の先(尿口付近)には、生まれつき少し大きめの水膨れが出来ていたのです。僕は生まれた時からその存在を認知していたため、全ての男性の尿口付近には、こういった水膨れがあるのかと思っていたのですが、どうやらそうではないらしく、しかも取れるとの事。

そもそも、えっちなビデオを見てもこの辺りはよく見えない加工がされているため、実際はどんな構造なのかなんて確認のしようがないですし、温泉で人の棒の先端部を見つめるような機会も特に無かったので、他と違うのだという事を知る機会が無かったのです。おしっこする時に、水膨れに当たって少し角度が曲がるため、それがめんどくさいなと思ってはいましたが。

一週間後に本当にタマが大丈夫だったか確認したいから、もう一度病院に来るようにと先生は僕に言いました。その時に、その水膨れを取るか取らないか、また教えてほしいとの事。

そりゃあ、取るしかないよねぇ。ということで、一週間後に病院へ行った際、先生に「手術します」と伝えました。その後、血液検査で血を抜かれました。昔に入院したことがあるのですが、血液検査するのはそのとき以来かなぁと過去のことを思い出しながら、抜かれる血を眺めていました。

小学生の時は痛くて嫌だったのですが、当時と比べると痛みもあまり感じませんでした。もしかして、痛くない針を使っていたのかな?それとも、看護師さんの腕が良かったのかな?

いやあ、しかし、血ってよく見ると綺麗な色をしていますね。ちょっと怖さすら感じるような、そんな綺麗な色だなと思いながら血液検査中ずっと眺めていました。

さて、1回で書いちゃうと結構な長さになりそうなので、手術編は次回にしましょう。
次回をお楽しみに!

それでは〜!