雨がやまない中歩き続けるいるかむ.いったい何が彼をそうさせるのか.
痛みが彼の心を揺らし始め,雨が彼の行く手を阻む.
そんな中,彼はある行動に出た

この記事は,ある夏休みの終わりに 前編の続きです.前編からどうぞ.

さて,大阪梅田には着いた訳ですが,ここからもうひと頑張りしなくてはなりません.

■行程
阪神御影(国道2号線沿いのクラッセ付近)→西宮→尼崎→大阪(国道2号線)
大阪→守口市(国道1号線)

■実録再開
さて,大阪で10分程度座って休憩し,次は京都を目指します.
まずは京橋辺り目指して歩きましょうか.

と思って地下を出ようとして曲がった通路の柱の裏におばちゃんが隠れておりとてもびっくりしました.お家の無い方なのかどうかは分かり兼ねますが,度肝を抜かれたのでそういうイベントは次からは勘弁して欲しいです.襲われるかと思いましたよ......

と,まあそんな事もありましたが,国道2号線の旅は終わり,次は1号線の旅になります.京橋に向かうのは方角的にも遠回りで無駄だなあと思いましたが,そこまで道に詳しいわけでもないので無謀なことはしませんでした.

雨はやみません.足に水が入り痛みを感じます.
それでも歩き続けました.京橋へ向かう途中,造幣局の前を通りました.関西では桜の通り抜けが有名なこの造幣局ですが,僕は行ったことがなくて造幣局の場所も詳しくは知りませんでした.こんなところにあるのか!と写真を撮って通過.その後川を渡ったのですが(多分堂島川),そこの橋が結構格好良かったです.因みに,最初造幣局とは分からず.刑務所か何かかな?と思っていました.お勤めする場所じゃなかったんですね.こんなところで諭吉さんが生み出されていたなんて…!

天神祭の時に彼女とこの辺り歩いたなーと思い出しながら歩いていたのですが,よく考えると彼女じゃなくて高校時代の男友達でした.世知辛い世の中である.

……ああ,そうか,あの時の雨は涙雨だったのか.

環状線を越えて,ひたすら1号線にそって歩き続けます.
蒲生四丁目に昔とある友達が住んでおり,「あーここのラーメン屋来たなあ」とか「あいつの昔の家この辺やったっけどこやっけ忘れた」とか思い出しながら歩き続けました.
(因みに天神祭はその彼と歩いた記憶があるんだけどどうだったかな…?)

京阪電車を越え,城東区を越え,鶴見区に入りました.
ここで道路標識が目に入りました.












京都 44km























(つд⊂)ゴシゴシ



























( ゚д゚)



































京都 44km







































( ゚д゚ )







































(;・∀・)ハッ?































えっ……44km……?
まじですか……?


①この足の状態で(靴擦れだけでなく,この頃は既に歩くだけで足の裏に激痛が走る状態)
②この天気で(相変わらず雨はやまない)
③残り44km(阪神間+10km程度)



これはリタイアした方がいいな……


それは,とても重大な決断でした.
右足に激痛が走り,こんな状態で歩けるのか心配でした.ですが京都まで歩ききった自分の姿を想像しながら耐えて歩いていました.44kmという標識を見てからも2km程度,暫く歩き続けてようやく結論を出したという感じです.正直,神戸から大阪まで歩いてこれたので京都まで行きたいという想いはありました.でも,やっぱりこれ以上歩くと,足に問題が生じそうだったのです.

正直,結構悔しかったです.でも,ここで無理をして後で酷い事になるのも避けなければいけないわけです.登山や冒険の世界では,まだいけるという勇気は大切らしいですが,諦める勇気も必要なんだとか.今回は,まさにそういった感じでしょうか.(そこまで大げさにしていいのか分からんけど)

ただ,大阪市内で終わるのは癪なので,キリよく京阪の守口市駅まで歩くことに.
最後の,せめてもの抵抗です.
まあ後々これが悲劇を生むわけなんですが.

ともあれ,途中で計画を変更して,1号線を逸れて京街道を歩くことにしました.なるべく最短ルートで守口市駅に向かうためです.と思っていたのですが,曲がるところを間違えて1号線に近づいていました.うわあ,余分に歩いてしまった!!

守口市までなら行けるだろうと高をくくっていたのですが,実際はそうでもなく,予想より距離がありました.道を間違えたからというのもあるのですけれども.因みに,この時点で階段の登り降りに支障をきたすレベルで足の裏に激痛が走っていました.

うん......
























いや,ほんとアホやわ.



そんなこんなで守口市に到着.足についた砂を払いつつ電車を待ちます.実は,リタイアしようと決めた瞬間,僕の頭の中では1つの計画が浮かび上がったのですが,それは次のお話なので,それをお楽しみになさってください.


――とうとう歩くことを断念したいるかむ.
   悲しみの涙が雨となり大地を濡らしていたが,1つの光が差し込んだ時,
          空が晴れ,彼の表情にも幾分かの余裕が見え始めた――


次回!「ある夏休みの終わりに 後編」お楽しみに!(因みにいつになるかは分からん!w)



いや,ほんと茶番乙