――とうとう歩くことを断念したいるかむ。
   悲しみの涙が雨となり大地を濡らしていたが、1つの光が差し込んだ時、
          空が晴れ、彼の表情にも幾分かの余裕が見え始めた――

この記事は、ある夏休みの終わりに 中編の続きです。前編中編からどうぞ。

守口市駅までたどり着いた所で長かった徒歩の旅は終わりです。
とは言っても、時間的にはまだ余裕がありますし折角ならば京都観光なんてのもいいかも……なんて考えながら守口市で電車を待ちます。京阪電車は小さな頃からよく乗っていたので好きです。特急って昔は七条まで停まりませんでしたよね。気がついたら枚方市に停まるようになってたけれど。

京阪特急といえば、渋いおじさんの声で「七条まで止まりません」というのと、「只今から補助椅子が使用できます」という自動放送が車内に流れていたのが、今でも耳に残っています。自動で声が流れるなんて凄いなあと子どもながらに思ったものでした

そうです、この時僕は




走馬灯が見え京都で少しゆっくりしたいなあと思ったのです。




旅先でゆっくりするといえば、皆さんは何を思い浮かべますか?

僕は、温泉です。旅の醍醐味の1つだと信じてやみません。
ただ、京都は温泉どころでは無いのでそんなに有名なところはありません。
市営の銭湯とか民営の銭湯は結構あるらしいですけれどね。それはそれで味があっていいのですが、やはり今回はくつろげる所へ行きたいわけです。

え?なぜかって?



あんたね、雨曝しの中5時間近く歩いたらそら休みたくなりますて。




■行程
守口市→枚方市→三条京阪→太秦天神川→嵐山
太秦天神川→嵐山→三条京阪→出町柳→八瀬比叡山口
八瀬比叡山口→宝ケ池→鞍馬
鞍馬→出町柳→三条京阪→山科→南草津

■実録再開
守口市から急行に乗り、京都へ……と思ったのですが、気が変わって枚方市で特急に乗り換えることにしました。久々の京阪電車だし、折角乗るなら特急に乗らなきゃ! もう心は小学生です。
見た目は疲労困憊の大学生なんですが。

京阪といえば特急だなあと思います。馴染みのあった3000系という電車が今年で引退らしくて、よくこの電車に乗っていた僕としては寂しい限りです。京阪電車に特設ページ(→ここ)があり、寂しさを感じているのは僕だけではないんだなあと思わせられます。
受験帰りに乗ったなあそういえば。結局通学で京阪を使うことはありませんでしたが。

さてさて、枚方市できちんとIIドアの電車(無料で乗れるのかと皆が驚く格式の高い、しかも二階建てが連結されてる電車)を待ちます。よく利用しているだけあって、抜かりはありません。特急乗るぞー!と意気込んで急行の座席を立った時、悲劇は訪れました。


足の裏に激痛が。

いわゆるアレです。コンクリートの上を歩き続けたら足の裏痛くなって歩かれへんくなるやつです。アレの酷い版だと思って頂ければいいと思います。この痛みを経験したことがない人は、経験しない人生を歩むことを強くお薦めします。
ああ、人生も、歩み続けたらやはり痛みを感じるのだろうか!(どうでもいい)

長時間草履で歩き続けたその代償とでも言うのでしょうかね。
一歩歩くたびに激痛が走ります。電車から降りるのも一苦労。立つのも一苦労。
激痛と戦っていると特急が来ました。
ああ、京阪は僕を助けてくれるんだ。なんて優しいんだろう。






なんで満席なんだよ!!!





結局、樟葉で座れました。目指すは京都の三条へ。

三条からは地下鉄と嵐電を乗り継いで嵐山駅へ向かいます。
地下鉄と嵐電の乗り換えはすごく便利でした。こういう取り組みいいよね。

さて、嵐山駅へきたわけですが観光目当てではありません。

足湯目当てです。
嵐電の嵐山駅には駅のホームに足湯があるんです!
痛い疲れた足を癒すには絶好のスポットだと思いませんか?
150円で入ることができるので、とてもお得です。
家族連れやカップルが談笑している中、僕も湯に足を入れました。

いやあ、至福の瞬間ですね。1人だけど。
電車が行ったり来たりするのを眺めつつ、足湯を楽しみます。お湯に足を入れているだけなのに体がだんだんとぽかぽかしてきてだんだんと眠くなって来ました。
そりゃあそうです。あんな長い距離を歩いて(途中少し寝ましたが)来たのですから。

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結局、2時間近く足湯でまったりしていました。
足湯から上がり、折角なのでと駅前でビールを頂きます。
疲れていた身体にお酒が染み渡ります。昼に飲むビールもこれまた格別。
こんな贅沢をしていていいのかと思いますが、足が痛いので少しくらいはいいでしょう。

さて、足湯とビールを楽しんだ後は出町柳へと向かいます。地下鉄に乗って再び三条京阪へ。
三条京阪で乗り換えて出町柳着。さて、出町柳に来たのですから叡山電車に乗りましょう。
叡山電車も、昔はよく祖父母に連れられて親戚の家に行った時に乗っていたのですが、年をとるに連れ全く乗らなくなりました。「きらら」がデビューした時に祖父に連れられて乗った時以来かな、と思われる久々の叡電に、テンションも上がります。

鞍馬に温泉があることが判ったのでそこへ行く事にします。叡山電車では乗降フリーのお得な切符が売られているのでそれを使うことに。「えぇきっぷ」と言うらしいです。(→ページ
せっかく乗り放題の切符を買ったので、行ったことのない八瀬比叡山口方面にも行ってみることに。あれ?この駅って八瀬遊園って名前じゃなかったっけ?いつの間に名前変わったんだろう。

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出町柳駅で八瀬比叡山口方面の電車を待っていると、見覚えのある絵が。
あれ、なんでひだまりスケッチ?と思ったんですが、「まんがタイムきららキャラット」とコラボしてるからだそうです。けいおん!なら確かに叡電の出町柳駅出てましたけど、なんでひだまりスケッチなんだろう…?「きらら」繋がり?因みに、車内の広告もまんがタイムきららキャラット尽くしでした。そういえばここ暫く買ってないな。

僕はこんなコラボをしてることを全く知らなかったのですが、結構有名なのかどうかは分かりませんが所謂オタクに分類される方々がこの電車が来るとホームを盛んに動き回っていました。中高生と中高年が多かったように思います。

電車に揺られて、北へ。1両編成の電車はトコトコ進みます。ちっちゃくてかわいいです。
八瀬比叡山口駅に着いたのですが、駅前がすごく人でごった返していました。何のイベントかはよく分からなかったですが、若い人がとても多かったです。


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初めて来たのですが、立派な駅舎で終端駅に相応しい立派な佇まいで、周囲の風景にも良い感じに溶け込んでいました。ホームが大きな屋根に覆われていて、薄暗さもまた味を出していました。

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駅の目と鼻の先に橋があったので、行って見ることに。
木造の橋だと!

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橋から川を眺めます。人工物が多く見られていたのが少し残念でした。
八瀬比叡山口で少し散策しても良かったのですが、歩くだけでも激痛が走るので(歩くのに走ると言うのはなんだか不思議ですね)、乗ってきた電車が折り返すのと同時に僕も八瀬比叡山口を後にしました。ここから鞍馬までは直通電車がないので、宝ケ池駅で乗り換えをすることにします。

宝ケ池駅に着くと、ここにもオタクな方々が!
叡電ってそんなに人気だったのかとびっくり。コラボパワー恐るべし、といったところでしょうか。
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宝ケ池駅は無人駅なのですね。まあ乗り放題切符を買っている僕には関係がありません。
この駅はホームが4番線まであって立派な駅ですが、無人駅なのでびっくりしました。
こういう駅って駅員さんがいそうなものなんだけれど。

因みにこの駅に撮影目当てでいた人たちは、ホームで走り回る、出口で集団でたむろって邪魔になっている、大声で喋ってて五月蠅い、と碌でもない人々でした。もう少し周囲にも気を遣って頂きたかったです。
そういえば叡電のアカウントでもなんか注意喚起とかしたはりましたね。

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宝ケ池にやってきたのは、まさかの「きらら」でした。正面を見て納得。
ああ、「きらら」に「きらら」だわ。
観光に特化してるこの電車ですが、これも特別料金は要りません。やったぜ!
京阪グループ頭おかしい(褒め言葉)
僕の知ってるきららは赤色なんですが赤色はどこに行ったんでしょうか。
塗り替わったのかなぁ?

これに乗って鞍馬へと行きます。紅葉には少し早かったですが、緑生い茂る中をゆったり進む愉快な旅路でした。スローな旅もいいね。

で、温泉に入ります。
鞍馬駅で送迎バスが来るのでそれに乗り込んで行きました。
露天風呂と屋内風呂が入り放題のプランを選択したのですが、「えぇきっぷ」のお陰で500円値下げに。
雨ざらしの中歩いていた体を温めます。温泉最高や!

お風呂を上がると、休憩室があったので少し横になることに。
17時くらいに出て、きららに乗って出町柳に向かおうか。
南草津に行く友達と何処かで合流して行こうかな、なんてことを思いながら計画を立てます。
折角だし、あとで露天風呂にも入ろうかしら。折角だしここを出る前に露天風呂に入るか!
あーそうなると16時くらいには起きとかないとなぁ(←現在13時)。
よし、今後の予定を考えようか………………………………………
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えっ、19時なんだけど

























「なんで起こしてくれなかったのよ!」
「起こしただろ!起きなかったのはお前だろ!」

なんてやり取りをすることすら忘れ(1人なので)急いで支度し、送迎バスに乗ります。
夜は本数が少なくなりますが、起きたタイミングが良かったのか準備を終えて10分程度でバスに乗ることが出来ました。危ない危ない。こんなところで宿泊となると追加料金かかってしまうし、何より友達を待たせてしまいます。(もう既に1時間近く遅れているわけなんですが)

鞍馬で叡山電車に乗って、出町柳へ。帰りは、八瀬比叡山口に行く時に乗ったのと同じ形式の、1両編成の電車でした。夜の鞍馬駅はとても静かで、音も吸い込まれていくようでした。
次は観光を兼ねてここに来ることが出来ればなあと思います。
三千院あたりにも足を伸ばしてみたいので、そこへ行く時に行ってみたいですね。

さて、「ある夏の終わりに」シリーズはこれで完結です。
(まさかの大晦日に書くというアレっぷりですが)
もし、また歩く機会があれば次は京都まで行きたいですね。今度はもう少し歩きやすい服装で臨もうと思います。「昔の人は草履で歩いてたんやからいけるいける!」なんて気持ちで軽々しく草履を選ぶことの内容にしたいと思います。あと天気のいい日に歩きたいです。もう雨のなか行軍するのは懲り懲りです。


おわり