このシリーズは①鉄道編、②航空・バス編でお送りしています。こちらは①鉄道編です。

いろんな乗り物が日本にはありますが、皆さんの旅のおともは何ですか?

僕は一人旅なら鉄道が中心です。二人以上の旅ならやっぱり車ですかね。
ただ、未だに自動車免許を持っていないのでナビ担当です。小特の免許は取ったんですが、残念ながら農耕機しか運転できないため、最高時速15キロの旅になってしまいます。歩いたほうが早いよね。

鉄道で遠征するときは、何歳になってもわくわくします。特に新幹線に乗った時なんてテンション高いのなんの。普段行けない、乗れないという体験が、旅をより面白くさせるのかもしれません。

そんな鉄道の旅ですが、乗るはずだった路線・列車が突然運休になることがあります。
その理由は、自然災害だったり、人身事故だったり、といろいろ。

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▲電車だって遅れるときはあるのです

あれ?運休になったら旅行ってできませんよね。となると、そのチケットって使えませんよね。






じゃあ、このチケットってどうなるの?







「確かに。運休になった時ってどうすればいいのかな?」
「そうそう。乗ってた列車が遅れたんだよ!でも、このきっぷってどうなるんだろう?」


わからない方は、ぜひこれを参考にしてみてください。きっとお役に立つことでしょう。
図に行程が載っていますが、左側から右側へ旅行していると考えて下さい。

目次



1.切符購入前に運休が決定した場合


route


× 買えないきっぷ
(1)A駅→C駅 (2)A駅→D駅 (3)B駅→C駅 (4)B駅→D駅

買えるきっぷ
(1)A駅→B駅 (2)C駅→D駅

要は、運休区間を含んでいると買えないということです。

しかし例外もあり、運休区間は存在しないことにして発売されるパターンが2つあります。


ukai
他経路へと迂回して列車が運転される場合

例:強風時の湖西線の特急
関西と北陸を結ぶ特急(サンダーバードなど)は、いつもならば湖西線を経由して走ります。しかし、強風などで湖西線を走行できなくなった際、特急は米原経由で走行されます。この場合、湖西線は運転取りやめとなっていますが、米原へ迂回して運行されているため、①のケースに当たります。


bus
バスなどの方法で到達することが可能な場合


例:大船渡線と気仙沼線
これら2つの路線は東日本大震災による津波で甚大な被害を受けました。路線の復旧に相当な時間がかかるため、現在は鉄道ではなくバス(BRT)として復旧し、運行されています。この場合、バスにより路線が運行されているため、②のケースとなります。

ただ、②の例はJRがBRTで完全復旧するみたいな事を言っているので、将来的には代替ではなくしっかりとした1つの路線として扱われるのかなーと思います。ですので運休という扱いではなくなりそうですね。②の例は、災害などでよく見られる「バスによる代行輸送」が当てはまるとお考え下さい。



2.切符購入後に運休が決定した場合


《一部区間が運休となった場合》

canceled

こうなった場合、みなさんが選べるのは

cancelAll
そもそも旅行をやめる(全区間の旅行中止)


cancelPart
運休区間の旅行をやめる(一部区間の旅行中止)


のどちらかとなります。ただし、今回は他社局線への振替輸送は考えない方向で。
これらの場合、きっぷの取り扱いは以下の表をご覧ください。

 パターン  運賃
(乗車券)
料金
(特急・急行券)
 ①全区間の旅行中止   全額 払い戻し 
(A駅からD駅の運賃)
 全額 払い戻し 
(A駅からD駅の料金)
 ②一部区間の旅行中止   未乗区間 払い戻し 
(B駅からD駅の運賃)
 全額 払い戻し 
(A駅からD駅の料金)

乗車券は乗ってない区間が払い戻しと覚えておけば大丈夫ですね。
特急券・急行券は、乗る予定だった区間に乗れなかったので払い戻しとなります。

また、途中駅で旅行を中止した場合に気をつけなければいけないきっぷは以下の2つです。
(あと1つあるんだけどそれに該当する人は多分ここ見なくても分かる人っぽいんだよね)

①割引乗車券の場合
学割などを使っている場合がこれに該当します。
この場合はB駅からD駅の割引運賃が払い戻しとなります。ふつうの運賃ではないです。
自分の乗車券が割引乗車券かどうかについては駅の窓口で確認して下さい。

②着駅が特定都区市内または山手線内と書かれている場合
○○市内(都区内)または東京山手線内のきっぷは、それぞれのエリアに「中心駅」というものが設定されており、今回の場合ならば旅行をやめた駅から中心駅までの運賃が払い戻しとなります。

例えば、奈良駅から東京都区内へのきっぷを持っていて、途中の浜松駅で旅行を取りやめた場合です。この場合、払い戻しの対象となるのは浜松から東京(東京都区内の中心駅)までの運賃です。


《乗車中の特急・急行が途中で運休となった場合》

さてここでは特急券・急行券についてスポットライトを当ててみましょう。
先ほどと違って路線の一部区間が運休したのではなく、列車に乗っている時に運休が決まった場合を想定しています。例えば車両故障とか、人身事故とか、そう考えてもらえれば分かりやすいかと。

canceled
乗っていた列車、B駅から先が運転取りやめになっちゃった!どうしよう、困ったなぁ。


l-nexttrain
あとの列車に乗ることができます

(1)特急に乗っていた場合
あとの特急または急行に乗車できます。また、特急券は全額払い戻しになります。
×あとの新幹線には乗車できません。また、乗車券は払い戻し対象ではありません。

(2)急行に乗っていた場合
あとの急行に乗車できます。また、急行券は全額払い戻しになります。
×あとの新幹線と特急には乗車できません。また、乗車券は払い戻し対象ではありません。

目的地にはたどり着いているため、乗車券は払い戻しにならないと言う点に注意しましょう。ただし、特急券・急行券は乗るはずだった区間を少しでも乗れていないため、払い戻しとなるのです。

この場合の例外
在来線の特急・急行から新幹線に振替が行われた場合、新幹線料金が無料となる代わりに特急・急行券については払い戻し対象外となります。JRのルールでは、乗客を格上の列車に振替乗車させることができるらしく、急行から特急・新幹線、特急から新幹線へ振り替える場合はこれが適用されるのでしょう。ただし、これは特急・急行券の払い戻しはしないことに乗客が同意したときに限られます。


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東京駅・大阪駅が目的地の場合は注意が必要です
  • 東海道本線を走行する列車の品川~東京間または大阪~新大阪間
  • 東北本線・高崎線・上越線・信越本線を走行する列車の大宮~上野・東京間または上野~東京間
  • 東海道本線・山手線を走行する列車の品川〜池袋間
  • 東北本線を走行する列車の上野〜品川間
上記の路線を走行する列車(新幹線を含む)が、その後ろに書かれている各区間内において運転取りやめとなった場合、特急・急行券は差額のみの払い戻しとなります。



なんのこっちゃ



まあ、規則の文章を見てもさっぱりですよね。僕もさっぱりでした。ということで、上の図を用いて分かりやすい説明をしたいと思います。これを見たら納得できると思いますよ。

具体的に言うと
いるかむさんの乗っていた列車が品川駅で運転取りやめになってしまいました。この場合に払い戻される特急・急行券の料金は、普通のルールで行くならば「A駅〜東京駅」の全額払い戻しとなるのですが、品川駅は前述の区間に該当しているため、「A駅〜東京駅」と「A駅〜品川駅」の差額が払い戻しとなります。もし差額が0円の場合は払い戻しはありません。

要するに
先ほど挙げた区間内の駅については運転を打ち切った駅を東京駅または大阪駅とみなす、と考えると良いでしょう。ある程度の本数が確保されていますし、別の列車へと簡単に振り替えられるため、簡単に目的地へとたどり着くことができるからでしょうか?
このような処理を行う理由は分かりませんが、ちょっと気になりますね。

ちなみに、このルールは後で述べる「列車が遅れた時の払戻し」にも大きく関わってきます。


l-shindai
寝台券の取り扱いにも注意が必要です

一部区間・全区間の運休により利用できなかった場合に限り、全額払い戻しになります。
× ただし、使用開始から翌日の6時まで寝台を利用した場合は払い戻し対象外となります。

寝台券については時間的な制約があるので注意しましょう。
「6時まで寝台を利用した」というのは5時59分に起きて降りたらセーフ!というわけでありません。6時までに、寝台列車が一部または全区間運休となったかどうかという事なので要注意です。
6時以降に寝台列車が運休になった場合ですが、先ほどの通り寝台料金は払い戻し対象外となります。しかし、当然ですが特急・急行料金は払い戻し対象ですので気をつけてくださいね。


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旅行をやめて引き返すことも出来ます

帰る場合はJRの規定により「無賃送還」というものを受けることが出来ます。無賃送還を受ける場合、かえりの経路は特別な事情を除いて乗車券と同じ経路に限られます。

(1)特急に乗っていたが旅行を途中で取りやめ、出発駅まで戻る場合
特急または急行に乗車できます。また、乗車券・特急券は全額払い戻しになります。
×あとの新幹線には乗車できません。また、途中下車できません。

(2)急行に乗っていたが旅行を途中で取りやめ、出発駅まで戻る場合
急行に乗車できます。また、乗車券・急行券は全額払い戻しになります。
×あとの新幹線と特急には乗車できません。また、途中下車できません。

(3)特急に乗っていたが旅行を途中で取りやめ、戻る途中で下車した場合
特急または急行に乗車できます。また、特急券は全額払い戻しになります。
 乗車券は、乗ってない区間が払い戻しになります。
 割引乗車券の場合、払い戻しは正規運賃ではなく割引運賃になります。
×あとの新幹線には乗車できません。

(4)急行に乗っていたが旅行を途中で取りやめ、戻る途中で下車した場合
急行に乗車できます。また、急行券は全額払い戻しになります。
 乗車券は、乗ってない区間が払い戻しになります。
 割引乗車券の場合、払い戻しは正規運賃ではなく割引運賃になります。
×あとの新幹線と特急には乗車できません。



3.遅れが発生した場合


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到着予定時刻よりも2時間以上遅れて到着した場合、特急券・急行券は全額払い戻しになります。
×目的地にたどり着いているため、乗車券は払い戻しの対象ではありません。

特殊なパターン
  • 東海道本線を走行する列車において、品川~東京・大阪~新大阪間
  • 東北本線・高崎線・上越線・信越本線を走行する列車の大宮~上野・東京間または上野~東京間
  • 東海道本線・山手線を走行する列車の品川〜池袋間
  • 東北本線を走行する列車の上野〜品川間
上記の路線を走行する列車については、列車が品川・新大阪・大宮に到着した時点で東京・大阪・上野駅に到着したとみなされます。運休時の取り扱いと似ているので間違えないようにして下さいね!

例えば7時00分に東京に到着する予定の列車が8時59分に品川に到着した場合です。本来このまま東京まで走ると到着時刻は9時以降となり、払い戻しの対象となるのですが、8時59分に東京に到着したとみなされて払い戻し対象にはなりません。

近鉄電車の場合
DSCN5245 出発時刻よりも1時間以上遅れて発車した場合、または到着予定時刻よりも1時間以上遅れて到着した場合、特急券は全額払い戻しとなります。
私鉄の有料特急は1時間以上遅れた場合に払い戻しとなる例が多いようです。

route5
乗っていた列車が大幅に遅れ、乗り継ぐはずだった列車に乗れなかった場合
または、乗り継ぐはずだった列車と同じ目的地へ向かう列車を1時間以上待つ必要がある場合

特急券・急行券は全額払い戻しになります。
もし、それが原因で旅行を取りやめる場合、列車運休の場合と同様の扱いになります。


route6

到着予定時刻よりも大幅な遅れが予想される状態だったため特急・急行から新幹線へと振替が行われ、そのおかげで目的地に到着予定時刻よりも2時間以内に駅に到着した場合です。

×特急券・急行券は払い戻し対象となりません。
これは、2時間以内に到着したため払い戻しされないのではなく、少し前に説明した規定(格上の種別へ振り替える時の扱い)が適用されているためです。

《こんなのもあります》
自由席グリーン券を持っていたけれど、座席が満員だった場合
もしくは、列車変更でグリーン車が無い普通車に乗った場合

自由席グリーン券は証明書に記載された区間が払い戻しの対象になります。
上記の通り、不使用証明書を車掌さんに発行してもらう必要があります。

自由席グリーン券というのはあまり聞き慣れない言葉ですが、関東の在来線の快速電車に連結されてるグリーン車の事のようです。関西では普通列車(特別に料金を取らない列車)にグリーン車が連結されていないため、ここの規則がよく分からずのなめ氏(@nnm_t)に聞きました。ありがとう。



4.注意点

  • 基本的に乗車券・特急券は払い戻し対象となりますが、例外があることに注意して下さい。

    旅行代理店で買ったきっぷや(契)(企)[C制]などの印字があるきっぷの場合、払い戻し出来ない場合もあります。わからない場合はプロである駅員さんに尋ねましょう。

  • 2時間の遅延が発生している場合でも、料金(グリーン券)は払い戻し対象外です。

    あくまで、特急券・急行券が払い戻しの対象です。しかしながら、一部または全区間が運休となった場合は全額払い戻しとなります。(グランクラスも同じ扱いです。)


  • 払い戻しの有効期限は当日または後日となります。

    当日時間がない場合は、その場で駅員に申し出て証明を受けましょう。
    そうすることで、払い戻しの有効期限が1年間延長されます。

  • 払い戻しは鉄道会社の義務ではありません。

    あくまで旅客の権利ですので忘れてしまっても自己責任となってしまいます。有効期限を過ぎたが何とかしてくれというのは通用しないので、その点もご注意下さい。

  • 正確な記述を心掛けておりますが、この記事の内容によって何らかのトラブルや損失・損害等が生じた場合は一切責任を問わないものとします。皆様自身の責任でどうかお願いいたします。



ということで、まとめてみました。これが皆さんのお役に立てば幸いです。
バス・飛行機編はこちらです!

今回参考にしたページ
きっぷのルール(事故・災害等の場合の切符の取り扱いについて)
JR北海道
JR東日本
JR東日本 旅客営業規則
JR東海
JR西日本
JR西日本 運送約款第7章
JR四国
JR九州
近畿日本鉄道 旅客営業規則