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銘 柄 升平(しょうへい)

種 類 純米酒

蔵 元 八木酒造

場 所 奈良県奈良市高畑町915





NaraCity 「奈良=鹿と大仏」というイメージを印象づける市です。県庁所在地かつ中核市となっています。山あいに位置していた月ヶ瀬村や都祁村と合併したため、旧奈良市と比べて東西に広くなりました。現在の奈良市では、衛星都市・古の都・山間部、と様々な姿を見ることができます。

また、奈良市の代表的なものとして、東大寺や興福寺、春日大社、平城宮跡などが挙げられ、観光客や修学旅行生の姿が絶える事はありません。みなさんも一度は来たことがあるのでは?

高畑(たかばたけ)町には奈良教育大や女子大附属、少し足を伸ばすと奈良公園や志賀直哉旧居などがあります。奈良交通の停留所の名前で聞いた事がある人もいるのではないでしょうか。

「ならまち」とは

ならまちと言うのは歴史的建造物が残る街のことで、江戸時代に作られた町家が多く並んでいるのが特徴です。餅飯殿商店街を抜けるともうその辺り一帯がもう既にならまち。ここはもともと元興寺の境内でした。昔の寺院の敷地というのはとても広く、東大寺や興福寺も今より広かったそうです。

お寺つながりで余談ですが、東向商店街という名前にもある「東向(ひがしむき)」は、もともと興福寺の境内の西端であることに由来しています。興福寺の塀に沿った道向かいのお店の入口がすべて東を向いていたから東向というわけです。実際、東向商店街は興福寺から坂を下るとすぐのところにあります。

「菩提酛(もと)」とは

(「酛」の漢字が難しく、環境によっては表示できないので今後はひらがなで「“もと”」と表現します)

菩提“もと”というのは、平安時代中期頃に正暦寺というお寺で編み出された酒母の作り方です。「生“もと”(きもと)」や「水“もと”(みずもと)」などと呼ばれる酒母の作り方よりも歴史のある方法でしたが、技術の発展に伴い段々と廃れてしまいました。ちなみに酒母とは酵母菌を大量に増殖させたもののことで、要するにたくさんの酵母って事でいいと思います。

そして時代が経ち、奈良県の酒蔵(有志)や正暦寺、そして県の研究所などが集まり、当時の製法を復活させたのです。つまり、昔の作り方を現代に蘇らせたものが「菩提“もと”」と呼ばれるお酒です。

20131222_194805 ほんとうに、香りがすごく豊かです。
薬用酒だよと言われて出されても、信じて飲んでしまいそうです。古酒独特の癖のある香りとでも表現すればいいのかな?

そして味なんですが、これもまた濃い!
とっても濃厚です。歳を取るに連れて、味という存在感を増しつつも、どこかまろやかで丸い。そんな印象を受けます。僕もそういう人間になりたいものです。

香りを嗅いだ時に、薬用酒みたいだと表現しましたが、味も実際そんな感じがします。ダシが入ってるんだよとか、漢方のクスリだよと言われても、「確かに」と分からず飲んでしまうかもしれません。

もちろん、アルコールですので身体がぽかぽかしてくるのですが、一瞬「薬用酒効果!?」とか思ってしまいました。思い込み過ぎかな!?

お酒を飲み始めた時は古酒の味が苦手だったのですが、最近はだんだんと好きに(頻繁には飲みたくないけど、たまに口が恋しくなる)なってきました。個人的には、「沢山はのめないけど、たまに呑みたくなるお酒」ですかね。とか言いつつ結構呑めちゃいそうなのが怖いですが(笑)

それでは!