この記事は第三回「過去を訪ねて」その①その②その③の続編です。
まだ見られてない方はそちらから先に読むことをオススメします。

前回のあらすじ
東畑鳥谷停留所を目指してひたすら歩いているいるかむ。
どうやら地図によると、あともう少しで目的地周辺らしい。カーナビならここで案内が終了してしまうだろうけれど、徒歩だし廃バス停跡巡りだしで日中から手探りな僕に今怖いものなんてないのだ。でも、バイトに遅刻することだけは勘弁な。

さてマリオカートかよと思わせるようなカーブを超えた所からスタートです。

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↑このカーブ




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ただひたすらに登ります。道が狭くなってきたので車に気をつけて、一歩一歩進みます。道幅が狭くなるそうですが、もうあのカーブを見ればどうとでもなれという感じです。

木に囲まれているので周りを見渡しても木しかありません(当たり前ですが)。
なにか面白そうなのないかなぁ……












何かなぁ……












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・・・・・・ん?












kutsu












触れたらあかんやつや。













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さ、さて、気を取り直して歩きます。

ちょうどこのページの2枚目と3枚目の写真がこの辺りです。
家の前が少しすれ違える場所になっていたので、バス停跡かな?と思いましたが、どうやら違いました。まあ、ここに作ったところで需要がこの家しかないですからねぇ。

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少ししんどかったですが、坂を登り切ると池が見えてきました。鳥谷池という名前の池だそうです。それはそうと、東畑村池水利組合って書かれていますので相当昔のではと思います。その割には塗装もあまりはげてないし、なんなんだろう?

どうやらバス停ももう目前のようです。しんどさもゴール目前とあらば雲散霧消。
ほどなくすると「鳥谷池」のT字路がありました。ここがバスの終点のはずです。

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バスの路線と同じように、T字路を右に曲がります。少し歩いたところで振り返ってみました。
このページにもバス停の後ろに青看が写っているのでこの辺りで間違いないと思います。

しかし、バス停の痕跡は見つかりませんでした。
場所的には、ちょうど手前の電柱付近だと思うんですけどねえ。

とりあえず、もう少し歩きます。このまま真っ直ぐ行くと、打田という所に出るそうです。そこは現在も奈良交通のバスが走っているようで、この東畑鳥谷線も過去に打田方面へ繋がっていました。

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あ、これは。






先ほどの写真の地点から少し歩いたところに、明らかにバス停の痕跡がありました。奈良交通からエヌシーバスへ移管される前の東畑鳥谷停留所跡らしいです。ついに見つけたのでテンション↑↑↑

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薄くて見えませんが、「次は 東畑打田」と書かれています。
東畑から打田までは自由乗降区間だったようですね。

とりあえず、遺構を見つけることが出来たので良かったです。

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先ほどの停留所ポールがあったところから少し歩いた所です。バス停跡かな?と思って写真を撮りましたが、この辺りは道路の拡幅を行ったらしいのでよく分かりませんでした。

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一応、先ほどのページを見ながら色々探した結果、これがバス停の名残なのかな?という結論になりました。明らかに違う感も否めませんが、バス停は既に撤去されており他に痕跡は全くありませんでした。残念ですが、廃止から時間が経っているので仕方ないですね。

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さて、引き返すのも面倒になってきたので、先ほどのT字路へ戻ってこのまま奈良方面へ向かいます。先ほどよりもより一層道路が狭くなってきました。その割に車が結構通るので、この先も気をつけながら進んでいきたいと思います。これは少し進んでから振り返った時の写真です。

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えーと、大丈夫かなぁ……






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上の写真の、ちょうと両端の土地が盛り上がっている所辺りまでやってきた時の写真です。ここが府と県の境界になっていました。ただいま奈良県。

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さようなら、京都府。多分また来るけどね。

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県境をまたいだ瞬間に道路事情が変わるのは府道・県道ならではです。先ほどの道のほうが天国だなとすら思ってしまうような道幅です。奈良県の道路事情の悪さはここにも現れているようです。

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府道72号線から県道72号線になりました。県境を跨いでも道路番号が変わらないのは地図を見ててもそのまま辿ればいいのでとてもありがたいです。最近はどの都道府県でもなるべく統一するようにしているらしいです。まあ、所属都道府県が違うだけで、走る身からすれば同じ道ですもんねえ。

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大型車両通行禁止だそうです。走りたくても走れなさそうですが、トラックが走って行くのを何回か見た気がします。この道は一方通行ではないので前後から車が来てないかを常に気を配りながら進みます。聞こえる音はほとんど僕の歩く音くらいなので、車が近付くとすぐに分かります。

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トイレの便座が捨ててありました。他にもレンジやタイヤ、スプレー缶など色々廃棄されていました。道の途中の至る所に「不法投棄厳禁」と書かれた看板がありましたが、どうやら心ない人間がここにやってきて捨てて行くようです。

DVDとか落ちてないかなとちょっと気になりましたが、あんまりまじまじ見つめてて誤解を招いても嫌なのでチラッと見ただけで立ち去りました。昔のジュース缶とか落ちてました。

うーん、ゴミの量が尋常じゃなかったですね。大和川の河川敷よりも汚いかもしれません。

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道は相変わらず狭いですが景色は綺麗です。
高圧電線の鉄塔が見えるので、あの辺りは文明があるかもしれません。

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砂防指定地という錆びた鉄柱がありました。
大正四年に指定されたらしいですが、さらっとそんな昔の事が書かれていてびっくりしました。

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道はうねうねしています。バスも来ないですし、車もたまにしか来ません。
僕に残された選択肢はこの道を歩き続けることだけです。歩き続けるとバス道に出るはずなので、本数が多いことを期待して歩きます。しかしそれもまだまだ先のお話です。

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電線が切断された電柱がありました。
昔はこの辺りに住居か事務所でもあったのでしょうか。こんなところだと夜が怖そうです。

途中で写真を撮っているおっちゃんに話しかけられました。曰く「写真を撮っていたらイタチらしい動物が逃げていった」との事。逃げたのは進行方向と同じだそうで、それならばどこかで見つかるかもしれません。

少し先で小動物が逃げていくのが見えました。(あっ、あれってハクビシンかな?)と思いましたが、一瞬の出来事だったのでよく分かりませんでした。多分イタチですよ。のんのんびよりで言ってた。その後、写真を撮っていたおっちゃんが車で僕を追い抜いて行きました。

「歩き目的じゃないなら乗ってく?送るよ。」と声をかけてくれたので、「ハイキングなんですよ」と答えて丁重にお断りしました。優しいおっちゃんだ。旅の醍醐味ってやつですね。

まあでも、こんなとこ1人で歩いてる男がいたら明らかにヤバそうなやつですよね……
自覚は有ります。ええ。

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ゴミを捨てやすい左側の土手のようなところはフェンスで囲われていました。
あまり写真では見えませんが、フェンスの中にも結構ゴミがありました。

こういう所にゴミを捨てる人間の気がしれませんが、おそらく今でもどこかでのうのうと生きていることでしょう。今宵もどこかでゴミを捨てているのかもしれないと思うと残念でなりません。地球環境のためにも自身がゴミであることを自覚していただきたいものです。

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リニア駅予定地らしいです。こんな所に駅を作ってどうするねん。

奈良市と生駒市と大和郡山市で揉めてますが、奈良市の学研地区でええんちゃうんかなと思います。そろそろ変なこだわりは捨てて協調姿勢を見せて欲しいところです。












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なんだこの、ヤバそうな建物は。











どうやら何者かに室外機をパクられたそうです。ここって無法地帯なの?

夜中に見たらちびるなと思うくらい、建物にぎっしりと恨みの文言が書かれた紙が貼られていました。でも誰も住んでる気配なかったけどなあ…?

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そのままずっと真っ直ぐ行くと、バス道に出ました。そして、奈良交通名物の自由乗降指定地です。
自由乗降なのに指定地ってなんか矛盾してる気がしますが、聞いた所によると降車指定地らしいです。ってことは、乗車の場合はどこで手を上げても止まってくれるのかな…?

ものの5分でバスが来たので一応手を上げたら本当に止まってくれました。
このポールで立ってたらどっちにしろバス止まってくれそうな気がするけど。

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この人が「おかえり」って言ってるような気がしました。ただいま。

この日は5キロ近く歩きました。実際は前回の西大寺まで歩いた時よりも歩いてる印象だったんですが、山道だったから長く感じたのかもしれません。

何はともあれ、廃バス路線を巡る旅、これにて完結です!