この時期になると、いつもより奈良駅が活発になります。
奈良の夏を彩るイベント、なら燈花会に今年も行って参りました。


なら燈花会の歴史がスタートしたのは1999年。まだ始まって20年も経たないという、意外と歴史は浅いイベントですが、今や奈良の夏といえば燈花会と言われるくらいに大きくなった催しです。
最近は、阪神や阪急の駅でもポスターを見かけるようになりました。近畿圏以外の他地域でももしかしたらポスターを見かけた方はいるかもしれませんね。
2015年度の開催期間は、8月5日〜8月14日。およそ10日間のみのイベントです。


僕は奈良市内の住民ではなかったということもあり、なかなか縁がありませんでした。去年初めてこの燈花会に足を運んだのですが、バイトの休憩中にチラッと寄っただけで終わってしまいました。

去年は時間もあまりなかったので、来年こそは絶対に巡ってじっくり見ようと1年間温めていました。今、ようやくこの気持ちに灯りがともりそうです。そうそう、今回の同行者は蒼ジム先生です。


さあ、それでは行きましょう。

※夜の撮影のため、写真がぶれていたりピンぼけだったりしています。ご容赦ください。












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あれ?燈花会は?













と、冗談はさておき、このなら燈花会は19時にロウソクにあかりが灯されます。
ぼくと先生は20時までゆうさいで呑んでいました。初っ端から絶好調の2人組です。

奈良公園で行われる催しなわけですから、体を清める必要がありますからね。
お酒を呑むというのもそれはしかたのない事なのです。お清めのお酒というわけです。
ちなみに3杯飲みました。

20時になったので状況開始です。
お店を出てまずは猿沢池方面へと向かいます。


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猿沢池と五十二段」と書かれたエリアです。猿沢池があるところですね。
五十二段と書かれているこの段は、興福寺の五重の塔へとつながっている道にある階段の事ですが、その階段に沿ってロウソクが置かれていました。宝塚の大階段ってこんなんじゃなかったっけ。猿沢池の周囲などにもロウソクが置かれており、この辺りから既に普段とは違う雰囲気を楽しめます。


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興福寺の境内に到着です。ここは「興福寺」エリアとなっています。各エリアにこの紹介ロウソクが置かれているので、ここがどこなのか分からないということは無さそうです。

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前から見たら「」という文字が見れるそうなのですが、人が多すぎて前から写真が取れませんでした。これは横から撮影した写真です。気合でなんとか見れないかな…?


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興福寺の五重の塔の横の道を抜けると奈良国立博物館があります。正倉院展が開催される場所ですね。また今年も行きたいなと思っていますが、日程的に行けるかなあ。

奈良国立博物館」エリアでも沢山の灯籠が置かれており、ちょっと鹿が食べないか不安ですが、暗闇の海に光が浮かんでいるようでとても綺麗でした。


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カップルがコレ見て「すごーい」とか言ってました。僕もデートしたかった……
いや、デートできる人いないんですけどね。

こんな話をしていると蒼ジム先生が「実はなあ、俺もなあ」と言い始めたのでそれ以上は言わさずお互いに励まし合いました。やけくそでカップルごっことかしてました。えろくまごめん。


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国立博物館を越え、次は浮雲園地方面へと向かいます。
上がカメラで、下がスマホでとった写真です。夜にカメラで撮るのはほんとうに難しいですね。良いカメラがあればお茶の子さいさいなんでしょうけれどもね。おや沼の音が。


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浮雲園地は天の川をイメージして灯籠が置かれているそうです。そういえば、ちょうど織姫と彦星が出会う日からだいたいひと月ですか。2人も空から燈花会見てるんでしょうかねえ。


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少し歩くとスタバがありました。他にもサーティワンとか色々、臨時出張所のように出店が並んでいました。いい匂いがしましたが、先ほどお酒を飲んだ僕たちは誘惑を振りきって進みます。


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かわいいですよねこれ。♡が上手く浮かび上がっていてなんだかおしゃれだなと思いました。場所は「甍〜IRAKA〜」エリア。奈良春日野国際フォーラム(旧・奈良県新公会堂)があるところです。

このエリアと春日野園地エリアはぼくと蒼ジム先生がここに来た目的の1つでもあります。
国際フォーラムの別館前で、去年の燈花会の彼方のパネルが展示されていました。


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なら燈花会では、境界の彼方(珍しく奈良が舞台になってるアニメ)とコラボした「燈花会の彼方」というイベントが行われています。アニメも本も僕は最後まで見終えてないんですが、どうやら作中に燈花会をモチーフにした祭があることで実現したらしいです。

普通、この手の祭だとアニメ系はちょっと敬遠されるような気もするんですが、燈花会が比較的新しいイベントだからこそ出来たコラボなのかなーと思ったり。まあなんにせよ、色んな層に奈良に来てもらえるわけですし、このイベントも2年目らしいので成功しているのではないかなと思います。

ただ、去年がアニメ放映で、今年が劇場版上映だったからコラボしたのかな?とも思ったり。折角なので、アニメ側に目立った動きがなくても来年もコラボしてほしいなあと個人的には思います。


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春日野園地」エリアです。少し歩けば東大寺の大仏殿があります。
この写真でもちょっとだけ大仏殿の頭が見えていますね。このエリアが一番広かったような気がします。そして、色々と趣向を凝らした灯籠アート(?)があり、見てて面白かったです。
せっかくですので、色々と紹介していきましょう。



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まずは、2015年版の燈花会の彼方パネルです。
結構知名度があるらしく、色んな人が写真を撮りに来てました。
アニメを知らない人も「なんか分からんけど可愛い子がおるな」とか言ってるのも聞こえてきましたし、なんだかんだでちゃんと受け入れられているんだなーと感じました。



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パネルの近くにはこういったものも置かれていました。意外と気付きにくいかもですね。
行ってみた際は是非探してみてください。


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これが何かよく分かりませんでした。形的にはなんかのタワーかな?と思ったのですが、上から見ないとわからないですね。折角なので、どこからか上から見れるような会場があればいいなと思いました。 とりあえず僕は「前方後円墳」と呼ぶことにしました。


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夏といえばカブトムシですよね!
これは見た瞬間に蒼ジム先生が「カブトムシやな」とすぐに分かったようでした。さすが先生、すごいなと思っていたら「俺の角も強いからな!ガハハ!」とか言ってて何言ってるんやと思いました。


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ブレてますが、顔に見えたので撮っておきました。ただ、顔にしてはちょっと偏ってるなあという印象です。後ろの方で「金魚やって」「ほんまや、金魚や」と聞こえてきましたが、どう見たら金魚なのかがちょっと分かりませんでした。


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小学校の時に白線引きでこんなの作って遊んだなあと思い出しながら見てました。
よく見ると、一番外側に赤い部分があるのが見えませんか?どうやらこれは蚊取り線香のようです。見た瞬間にわかったのでちょっと嬉しかったです。どうやら春日野園地に置かれているのは「金魚」「カブトムシ」「蚊取り線香」と、全て夏に関係のあるもののようです。

となると、さっきの前方後円墳(仮)は一体なんなんだろう……?
前方後円墳は県外の人にとっては珍しいかもしれませんが、別に夏と関係のあるものでもないですし、寧ろ年がら年中うちの近所にもあるようなありふれたものなので、さっぱり分かりません。


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ちょっとこの光景が滑走路に見えたので撮ってみました。
本当に飛行機が降りてきそうで、ちょっと期待していました。ドローンはやめてね。
※会場内でドローンを飛ばす行為は禁止されています


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そしてまた現れる謎の前方後円墳(仮)。
ヤマトと涼の文字はすぐに分かりましたが、前方後円墳と何の関係があるんだろう…?


しばらく考えこんでみましたが、一向に答えは見つかりません。
「古墳がいっぱいって事なのかな……?」
「いや、確かにそれは奈良だけど夏じゃないしな……」
「っていうか夏っぽいやつであんな形のものなんてあるか……?」


答えがわからず悩みながら、少し小高い丘に登って蒼ジム先生と春日野園地を見渡します。
まるでナスカの地上絵のように、灯籠で描かれた絵が見えます。


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あ、これ風鈴だ。












ちょっと上から見ると、パッと答えがひらめきました。
確かに夏っぽいですし、前方後円墳みたいな形をしています(向きは逆だけど)。
ということは、どうやらこのエリアにある前方後円墳はすべて風鈴のようです。


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蚊取り線香は少し上から見るとよく分かりますね。
風鈴は、もう少し上から見たほうが分かりやすい気がします。やはり、もう少し高くから見下ろせるような場所が欲しいところです。じゃないとせっかくの絵が分からず勿体無いですし。

ただ、そういうの作るとなるとちょっと危ないんですよねえ。そこが難しい所です。
イベントスタッフ経験者なので、その辺はとてもよく分かります。


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見えにくいんですが、この中央に顔があるのわかりますかね?
これ、どうやらせんとくんらしいです。後ろのおばちゃんが言ってました。


さて、時間が21時45分となり、なら燈花会が終わる時間になりました。
19時から2時間45分というほんのちょっとだけの時間ですが、その時間が本当に短く感じるような面白いイベントでした。いつも見慣れた奈良公園が、まるで満天の星空になったような、そんな不思議な空間で、ちょっと贅沢な夏を過ごせた気がします。


2015年度のなら燈花会は、8月14日までの開催です。
1年で10日しか見ることの出来ない、貴重で幻想的な奈良公園。
ぜひみなさんにもその眼で確かめて、そして楽しんでほしいなぁと思います。


ちなみに、8月14日・15日は春日大社で「万燈籠」という800年続いている催しが行われます。これも春日大社の境内に並べられた灯籠を点灯していく、なら燈花会のようなイベントです。14日は燈花会の最終日ですが、少し足を伸ばして春日大社の万燈籠も楽しんでみては如何でしょうか。

また、8月15日は東大寺で「万燈供養会」というのが行われます。これは1985年から行われているお盆の催しで、これも大仏殿の境内に並べられた灯籠にあかりを灯すというイベントです。この日の夜は大仏殿が無料拝観日となり、大仏殿の屋根のところにある扉が開き外から大仏様を見ることが出来ます。外から見ることが出来るのは正月とこの日だけらしいです。

というわけで、8月14日と15日(15日は燈花会終わっちゃってますが)はぜひ奈良公園まで足を運んで、そして灯籠に包まれた幻想的な奈良を楽しんでみてはいかがでしょうか?

それでは!









おまけ

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今年のクリアファイルと、去年のタペストリーが売っていたので買いました。
来年も絶対コラボしてほしいなあと思ったので、商品を買って貢献しました。

さて、どこに飾ろうかな……へへへ……


(ちなみに後ろは奈良県の地図です)